「夏の危険、熱中症」
日射病や熱射病などの総称で、体温調節機能が働かなくなり高体温や脱水になることで生じる全身の疾患です。犬は身体のごく一部でしか汗をかけないので、人のように汗をかいて体温調整をすることができません。人のように全身に汗をかくことができません 。
パンティング(ハッハッと激しく口で呼吸をすること)によって水分を蒸散させて体温を下げようとしますが、気温や湿度が高かったり、気道に問題があったりする場合、うまく蒸散できず、体温が下がりません。
体温が高い状態が続くと体を作っている蛋白質が変性し、様々な臓器の機能に障害が出ます。また脱水することによって水分や塩分が体の必要なところに届かなくなると、障害がさらに進み、多臓器不全に陥ります。
急に日中の気温が上がり始めるにも関わらず、まだ暑さや湿気に体がまだ慣れていない ゴールデンウィークの頃から、発症するケースが増え始めます。
■「初期症状」
パンティング(ハッハッと激しく口呼吸すること)をしている、心拍数が早い、体を触ると熱い、口の中や舌の色が赤い、よだれが多い、動きたがらないなどの症状が起こります。なお犬の体温は肛門から測定した直腸温で小型犬では38.6〜39.2℃、大型犬では37.5〜38.6℃くらい で、40.5℃を超える場合高体温状態と考えられます 。
■「危険な症状」
ぐったりしている、チアノーゼ(口の中や舌の色が青紫色)になる、嘔吐や下痢があるといった症状は危険です。また熱中症の初期段階では体温が高くなりますが、症状が進行して重症になると、ショック状態になり体温が下がってしまうこともあり、注意が必要です。
さらに進行すると、意識消失、発作、口や鼻、肛門からの出血などの症状が認められ、死に至ることもあります。
■応急処置の仕方は?
まずは日陰や室内などの涼しい場所に移動します。室内や車内であればエアコンを効かせるようにします。次に体を冷やします。首、脇の下、鼠径部(太ももの付け根の部分)は太い血管が走っているため、保冷剤をあてると体温降下効率が高いです。体に常温の水をかけ、扇風機などで風をあてるのも効果的です。
冷たい氷水をかけてしまうと、体表の末梢血管が収縮してしまい冷却の効率がさがってしまうため、注意が必要です。また、飲めるなら水分を補給します。飲まない場合は無理に飲ませないようにしましょう。体を冷やしすぎると低体温状態に陥ることもあるため注意が必要です。(動物病院での処置の際は、通常直腸温で39.5℃程度になったら冷却処置はストップします。)
■動物病院に連れていくべき?
応急処置が終わった、もしくは危険な症状が認められる場合にはすぐ動物病院に連絡し、体を冷やしながら(応急処置をしながら)動物病院に搬送しましょう。
状態によっては点滴や気管挿管などの治療が早急に必要な場合があります。
ちなみにドッグランの開園時間が2021/7/1より変更になります。
開園時間9時から19時迄の全ての時間で予約が可能になりました。
涼しい時間を狙ってご活用ください。
引き続きナイトランは閉鎖となっております