「 犬の、ない話 」
友人と待ち合わせをしていたら 女「すみません、ちょっとよろしいでしょうか」と年配の女性が声をかけてきました。
唐突に
女「ワタクシ○○会の佐藤と申します」
あちゃ〜面倒臭いのが来たなと心で思い
私「今、友人と待ち合わせをしているので時間が、、、、」
とやんわりはぐらかそうとしたのですが、猛烈プッシュで迫ってくるもんですから
私「じゃ5分だけ」というと
女「有難うございます、あなたは幸せですか?」
私「はい?」「特別幸せではありませんが、、、」
女「わかります。あなたの顔は不幸せそうな顔をしていますね。」
心の中で(てめぇ!!)と叫びつつ露骨に嫌な顔になった途端
女「そう!それ!その顔、不幸せですね」
私「はぁ?!何なんだよ、失礼な人ですね」
と私が言っても全く聞き耳も持たず勝手にしゃべり続け、
女「いいですか、あなたが幸せになるには、まずこれを読む必要があります。」
そうやって手渡されたのが「幸福論」。
幸福論なんて人それぞれの価値観だろうが?
と思いましたが早く終わらせたかったので黙って聞く事にした。
女「まずは3ページ目を開いて一緒に読みますよ」
私「え!一緒に読むの?」
女「そうですよ、あなたの為ですから」
私「いや、ちょっと時間がないので」
女「ここで一緒に読まなければ、あなたは一生不幸になりますよ」
何かがおかしい、最初は話だけでもとお願いされたのに今では立場が逆転して幸福論を一緒に読まなければ不幸になると
脅迫されている。あまりにも勧めてくるので若干ではあるが読んでもいいかな?という気持ちになってきた。催眠や洗脳ってすごい技術だな、と感心してきた。どうやら年配の女性の話によると幸福論はかなり重要なことが書いているらしくそして200ページにも及ぶ大作、やはりここで一緒に読みたくないし早く帰りたい。どうしても時間がない事を伝え
私「わかりましたので時間がないので後で読みますから」
女「わかりました、それでは800円です」
幸福論は有料でした。いつも思うのですが神様と称される方々はどうもお金が大好きのようで、無料でお願い事や心すくわれるお言葉を頂くこと自体おこがましいようです。とりあえず買って読んでみたら○○会の経緯や一番偉い人のプロフィール(どうやら空中浮遊したり30分息を止めることが出来るらしい)がぎっしり書かれていた。その後本を熟読して遅れてきた友人に罰として1000円で買っていただきました。苦痛な時間が200円で帰ってきました。
これが本当の神のおぼしめしでしょうか?なんてね不幸が顔の鈴木が犬とは関係のないある日常を描いてみました。