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スズキ的イチニチ
第113話
「ブーム」
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「 ブーム 」
ペット屋さんにとって年末は一番忙しい時であり「除夜の鐘は店で聞く」というのが通例なくらいバタバタします。そんなバタついた中での初日の出はお預かりのわんこと一緒にお散歩しながらでした。
新年の抱負と会社、社員の成長と安全をお天道様に手を合わせお願いいたしました。手を合わせていて、ふと思ったのですが何なんでしょうね?ただの太陽なのにお正月だけ初日の出では手を合わせたくなるこの感覚、不思議です。
ある程度年を取ると信仰心が強くなるのか?この数年、仏様や神様などに手を合わせることが多くなったような気がします。私だけなのかもしれませんがお墓参りだけでも毎年4回以上行きますし神様にも3回以上手を合わせに行きます。悩み事とお願いが多すぎるのか。欲望という煩悩の塊なのでしょうね。神様仏さまはお願いばかりで申し訳ない気持ちでいっぱいです。
さて早くも2月になりました。時間の流れが速いとつくづく実感いたします。
私がこの業界に足を染めてから20数年本当にアッというまです。私がこの業界に入った時はハスキーのブームがありそのあとゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーの大型犬ブームがありました。そのあとコーギーがきてチワワ、ダックスと続きプードルがきてそしてなかなかお目にかかれないような個性豊かな犬種のブームが来ました。
そして今は猫のブームが到来しています。どのブームにも必ず言えることはマスコミなどのメディアが必要以上に煽ることが原因と私は考えます。業界人としてブームが来ることは一概に悪いとは言いませんが今までの経験上間違いなくブームが去ったあと保健所にはブームだった動物があふれ劣悪なブリーダーによって無理に交配され先天的に障害を持った動物たちが増える傾向がります。
つくられたブームはあくまでブームであって日本人は熱しやすく冷めやすい性格なのに動物のブームを作ること自体虐待につながるのではないかと毎回思ってしまいます。あくまで私の持論であり賛否両論であり昔のコラムにも書きましたが動物を飼育する場合、私は「マイクロチップ」を義務付けた方がいいと思います。誰が飼育しているのか?どこで誰から購入したのか?ちゃんと予防接種はしているのか?以前動物を保健所に連れて行ったことがあるのか?動物虐待をしたことがあるのか?などの個人情報をチップに入れておけば購入者が動物に関する法律を犯した場合、2度と動物を購入できないよう社会的ペナルティーを与え、売る側も端末から購入者が今までペナルティーがある人には販売できない規則にしてしまえばかわいそうな事案が増えなくて済みますし、万が一迷子になった犬がいても保健所で殺処分されずに済み飼い主がすぐ見つかる案件につながると思うですよね。
金融機関などは個人の信用情報を共有しているのだから動物業界も同じような信用情報を共有することはできないのか?まぁ個人情報保護の観点から難しい側面などは多くありますがやはり動物が簡単に飼え簡単に捨てられる現状に時々やり切れない思いをする今日この頃です。