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第13話 「毛玉に関して」
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毛玉に関して 毛玉取りははっきり言って取るのがめんどくさいし尚且つ犬がかわいそう。
毛玉は何はともあれ飼い主がお手入れを怠った証拠である。
毛玉になってしまうと被毛が死んでしまうし、
皮膚の空気の通りが悪くなり、いい事は何も無い。
ただでさえ毛玉になっているところは、皮膚が毛玉に引っ張られて弱っているのに
除去するには少なからずとも皮膚を引っ張らなければ除去できないので
かわいそうの一言である。 「今回は家でしっかりとブラッシングしてきたから毛玉は無いと思うよ」 言われて取り掛かってみて毛玉だらけだと本当にがっかりする。
一瞬にやる気が失せてしまう。
ひどい毛玉のときはどんなプロトリマーであれカリスマトリマーであれ、
どうやってもきれいに仕上げる事は出来ないし、犬がトリミングを嫌いなってしまう。
我々は健康管理上毛玉は問答無用で(一部は省く)根本から切ってしまう。
せっかくお金を払って頂いているのに穴ぼこだらけとか丸坊主になってしまうと、
なんとも言えない気持ちになってしまいます。 以前こんな経験をしました。犬の健康を第一に考えた美容を昔から心掛けていた。
オープンして半年くらいのある日、一頭のMIX犬が美容にいらっしゃいました。
見るからに抜毛、毛玉がかなりあり、
内心「これはひどいなぁ、家でブラッシングも何もしてないな」
一瞬にして察することが出来ました。
当然のごとく毛玉の重要性や美容で起こる犬への負担を考えて
丸坊主にすることを薦めました。(丸坊主以外行う術がまったく無い状態だったので)
その時快く了承してくれたのですが、ここで大きなミスを当店は起こしてしまいました。
後から気づいた事なのですが、犬を連れてきたのは飼い主のお母さんで、
飼い主は娘さんだったのです。娘さんに説明もすることなく丸坊主にしてしまいました。
即日に娘さんからクレームの電話が入り
「何て事してくれんのよ!こんなの動物虐待じゃない!どうしてくれんのよ!」等、
こちらの言い分や説明を一切聞いてくれない状況でした。
我々としては犬の健康を考えた美容を行ったつもりですが結果的にお客様に対して
本当に申し訳ないことをしてしまいました。 ただ、我々が行ったことは本当に動物虐待だったのか?
何もせずお帰り願うことが動物愛護になるのか?
今現在でも心の隅で悩んでいます。