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スズキ的イチニチ
第99話
「気分が悪い犬の話」
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「 気分が悪い犬の話 」
今年はニュースで犬が捨てられる事件が頻発しました。
捨てられる犬も所謂人気犬種と言われる犬たちばかり、ある県ではプードルばかり20頭以上ある県ではダックスやチワワが30頭以上といった具合に累計で何百頭以上も捨てられていました。皆さんもニュースで見たんじゃないでしょうか?
その背景としては動物愛護法が変わり悪徳ブリーダーやペットショップなどの業者からの不要犬の引き取りを拒否したり料金が掛かる様になったからです。
売れ残りの犬や繁殖できない犬や障害がある犬などが処分できず捨てられるようになりました。
逆を言えば今までは行政が悪徳ブリーダーやペットショップの犬を処分してきたという事になります。今まで行政はなぜ処分してきたかといいますと捨てられた犬などが野良犬化した犬が人間に危害を加える事を懸念して処分してきました。
実際野良犬を住宅街で見ることがなく人間は安全に生活できる現実があります。
本来ブリーダーやペットショップは飼い主と動物がお互い共存し豊かな生活をする事が出来る様に、そして正しいブリーディングにおいて純血の犬を後世に絶やすことがないよう血統を守っていくことが本懐のはず、しかしブリーダーだけの話としてブリーティングだけでは生活は成り立ちません。本当に犬が好きな方や血統をちゃんと考えているブリーダーの方は本業の傍らブリーディングをしている方がほとんどで犬が好きと言うより愛していますのでいい意味で気難しい方ばかりでした。
悪徳ブリーダーは本業の為売れる今流行の犬種を母犬が生めなくなるまで連続で交配していきます。
当然の様に言い方が悪いですが粗悪な犬や先天的に障害を持った犬が生まれやすくなります。
どう見ても売れない犬や産めなくなった母犬は行政に無料で処分されてきました。
これがペットブームの裏にある現実です。
よくペットショップで販売されているケースで購入後先天的疾患などが発生した場合、同等の犬と交換するという謳い文句を出しているペットショップがありますがもし交換した場合、交換された犬はどうなってしまうんでしょうか?
疾患があることをちゃんと伝えた上で里親を探すペットショップは優良なペットショップといえます。
逆に疾患を隠して文句を言わなそうなお客に売りつけるペットショップがあることも事実です。
さらに売り物にならないからといってブリーダーに返却されちゃんと終生面倒を見てくれるケースは少ないと感じます。犬は残念な結果になる場合がほとんどです
ペットにとっての幸せってなんなのか?人間にとって都合がいいように改良されてきた犬の現実、大昔から犬を伴侶とし癒しや犬の役割を求めてきた人間、弱い立場の犬たちを守っていくためにはやはり犬の幸せは人間の倫理観と道徳意識でしかなりえないのではないでしょうか?
犬の幸せは人間のさじ加減で幸も不幸も決まってしまう。
だからこそ犬の十戒(ネットを参照してください)を噛みしめてほしい。
残念なことに悪徳ブリーダーやペットショップは現実に多くあり動物愛護法が厳しくなったからといってもまだまだざる法であり現実に犬を見ずにネットで購入でき家まで宅配便で配送される日本という国。物扱いされている日本の動物文化は欧米に比べて100年劣っているといわれております。
生類憐みの令とまでは言いませんが、心ある動物たちが欧米のように正しい方向に向かっていくにはまだまだ時間がかかるかもしれません。そもそも犬種のブームがある事自体問題であることを考える必要があるかもしれませんね。この頃のニュースを見て感じました。